第7回 行動モデル夏の学校のご案内

行動モデル夏の学校の季節がやってきました.「近年の悪化する交通渋滞に対して..」,多くの論文に用いられてきたこのフレーズが,複合化するエネルギー・環境・経済問題の中で無力化し,公共政策の諸相が大きく変容を遂げる中,私たちの分野で精力的に行われてきた「行動モデル研究」もまた新たなパラダイムに突入しようとしています.理論的には認知心理学や実験経済学,ゲーム理論の進展が,観測技術ではプローブパーソンやセンサーネットワーク技術の急激な進化が,モデルの記述対象のより高度な概念化を可能にしつつあります.

具体的には,制度・ルールの創造,歩行者・自転車といった非自動車交通の評価,複雑な観光行動やインセンティブ設計のコーディネーションと相互干渉といった従来注目されてこなかった現象のモデル研究にも注目が高まっています.また環境モデル都市や戦略的都市経営,都市交通戦略策定に貢献できる行動モデルと観測・シミュレーション技術の新展開が期待されています.全国各地から行動モデル的アプローチにより今日的な公共政策問題に切り込んでいこうとする学生諸君,若手研究者の皆さんの参加を,私たちはお待ちしています.

前回の様子をこちらのサイトにまとめました。ご覧ください。

理論-観測編

概要

理論モデルと観測手法についての近年の研究動向を概説し,MNLからMXLまでのパラメータ推定テクニックの演習を行います.

資料配布

参加費

2000円(宿泊費別)

申し込み先

羽藤英二 hato[at]bin.t.u-tokyo.ac.jp

日程

9月20日 1100-1700@東京大学本郷キャンパス工学部1号館14番教室

基調講義
私と行動モデル 北村隆一(京大)

講義
■行動モデルの基礎理論と推定手法 倉内慎也(愛媛大)/佐々木邦明(山梨大)
■行動シミュレーションと観測手法 山本俊行(名大)/羽藤英二(東大)
パラメータ推定演習(GAUSS, R, Biogimeを使用します)
GEV(MNL,CNL, NL),Mxied Logit推定のテクニック

9月21日 900-1700@東京大学本郷キャンパス工学部1号館14番教室

若手招待講演 社会的相互作用と行動モデルの新展開 福田大輔(東工大)

学生セッション
1.「都市交通戦略の策定に向けた統合型交通需要予測手法」
金森亮(名大)
2.「アフォーダンスに着目した歩行者相互挙動モデル」
濱上洋平(愛媛大)
3.「混雑内生型離散選択モデルの開発と構造推定」
柳沼秀樹(東工大)

演習発表(経路選択と都心回遊行動データを使ったモデル推定結果)

講評と表彰

お願い

  1. 演習はノートPCを持参している人を基本に実施することになります.
  2. それ以外の人は,ノートPCを持ってきている人とチームを組みます.
  3. チームわけは当日のノートPC持参者の数を踏まえて事務局が実施します.
  4. 事前にライセンス購入済みのGAUSSか,フリーの統計パッケージであるRを自分のPCにインストールしておいてください.
  5. Rのインストール方法と事前知識ついては以下のURL参照してください.
    http://www.okada.jp.org/RWiki/
  6. 演習課題,GAUSSとRの使い方については夏の学校当日にパワーポイントでもう少しわかりやすい資料を事務局で用意するつもりです.
  7. 当日は2種類の課題(経路選択・目的地選択)を用意しています.経路選択のサンプルプログラムの中にはJavaが含まれています.必要な方は適宜動作環境をインストールの上,ご参加ください.
  8. 会場では無線LANによるネット環境を用意しておりません.必要なデータ,資料の最終版は当日CD-ROMにて事務局より配布致します.

会場案内

東京大学本郷キャンパス工学部1号館14番教室

アクセス地図:http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map01_02_j.html
建物地図:http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_04_02_j.html


大きな地図で見る

富士カーム人材開発センター


大きな地図で見る

※行動モデル夏の学校は,愛媛大学,東京大学,名古屋大学,芝浦工業大学,東京工業大学,東京海洋大学,山梨大学の研究者有志が連携して開催してきた大学院生,若手研究者向けの夏の学校です.われわれの分野における行動解析理論とその手法の普及と展開,研究者の育成を目的に毎年開催してきました.今年から経済モデルの夏の学校と連携開催を行っています.あわせてご参加ください.